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■ しゅんな様小説 ■

2009.04.21 20:16 candy

「幸せの音」




参ったなぁ。
ずいぶんと降ってきやがった。
直ぐ止むと睨んだのが失敗だった。
駅からバスに乗った時よりも雨は激しくなっていた。
迎えよこしてもらうべきだったかな?
あるいはタクシーにすればよかったか・・・。

傘を持ってなく、バスから降り濡れながら歩いていると、
「若林く~ん?」
背後から聞き覚えのある声。
誰だかわかってる。岬だ。
声がしたほうに振り返る。

岬が走ってやってくる。
「やっぱり若林くんだ。日本に帰ってたんだ?」
そういって傘を俺に差し掛ける。

「ああ、今着いた」

「そうなんだ。びっくりしたよ。
 若林くんが濡れながら歩いてる?
 あれ?日本にいるわけないか?
  でもどう見ても若林くんだって思って。」

「両親が日本に一時帰国するんだ。
 で、家族みんなで日本の家で会おうってことになって」

そしてお互いの近況報告をしながら歩く。






ごつ。傘が俺の頭に当たる音。

「あ、ごめん」
見ると必死に手を伸ばして差し掛けてくれてた。

そっかこいつのほうが背が低いから・・・。
しかも、岬のやつほとんど傘に入ってないじゃないか。
びしょぬれになってる。

「貸せ」
俺は岬から傘を半ば強引に奪い取る。
そして岬に差し掛ける。
「で、お前はどこ行くんだ?」
「えっ、どこ?って・・・。
 若林くん送っていこうと思ってたんだけど」
そうか。ただ行き先が同じ方向だったわけじゃなかったのか。
岬が傘を俺のほうへ押し戻す。
「それじゃあ、若林くんが濡れちゃうよ」
「いや、俺はいい」
 
「じゃあ・・・。一緒にもとー。そうすれば傘、真ん中になるよ」
そう言って手を伸ばしてくる。
そして俺の握ってる柄の直ぐ下を握る。
 
「なんか相合傘みたいだね」
そう言ってにっこり笑顔の岬。



「俺と会う前はどこ行こうとしてた?」

「う~ん・・・。散歩」

「こんな雨ん中散歩だぁ?」
岬をじっと見つめる。
視線を逸らす岬。

「ほんとは練習しに・・・。
今日連休最後の日だから、高校の部活も雨だったら休みってことで、
休みになったんだけど、なんかさ家にいても暇で・・・」
「この雨の中自主トレか・・・」
「だってサッカーの試合雨でもあるでしょ」

ほんとはやり過ぎだって自分でも自覚してるな。
だからさっき視線逸らしたな。

「休める時は休んだほうがいいぞ」
「うん。そうだね。
 家をでたら雨凄くなってきて、帰ろうかなって思ってたとこ。
 でも、練習しようと出てきてよかったよ。
 若林くんに会えたから」

そう言って嬉しそうな顔をする。

俺もバスにして正解だったな。こんな偶然が待ってたんだから。




ぽつぽつ・・・。
傘に雨のあたる音を聞きながらしばらくの間無言で歩く。
傘は二人で持ったまま。
雨音って憂鬱な時もあるけど、今は違う。
二人で歩く道のりは短く感じた。





雨の中送ってもらって、びしょ濡れのまま帰すのは悪いよな。
いやそれよりも、もうちょっと話がしたかった。

「岬、あがってけ」
「う~んと、じゃあちょっとだけ」




上着をハンガーに掛ける。

「頭乾かしとけ」
岬を鏡の前に座らせる。
「いいよ。自分でやるよ」
ドライヤーを俺から奪い取ろうとする岬を遮る。
「いいから」
そう言ってドライヤーを当てる。
「う~。髪くらい自分でやるのにぃ」
岬の髪を指で梳く。
ほんとに柔らかいな。
この手触り、気持ちいい。

「もういいよ。乾いたよ」




そして紅茶とケーキが運ばれてきた。
「すごいね。ホテルのルームサービスみたいだね。
 若林くんの部屋もホテルみたいに広いし。
 この部屋だけでもうちのアパートより広いよね」


1人掛けのソファーが向かい合わせに置いてある。
真ん中にはテーブル。
そこにケーキと紅茶が載ってる。


「この紅茶ブランデー入ってるでしょ?」
「雨に濡れたからな。温まるぞ」

「うん。温まるよね。
 小学生の頃、雨に濡れて帰ると、たまたま父さん家に居て、
 紅茶にブランデー、ちょっと入れてくれたんだよね」

そう語りながら紅茶を啜る岬に、思わず見とれてしまった。

「このケーキは、若林家シェフの手作り?」

「明日の為にパテシエとかシェフ呼んだらしいぞ」

「そっか、プロのパテシエさんかぁ。
 プロじゃあレシピ教えてもらえないよね?」
とちょっぴり残念顔。

やっぱこいつは綺麗だ。


ふと棚に目をやる岬。
さっきから何かに視線を送っていたのは気付いていたんだが・・・。

立ち上がり棚に手を伸ばす。

「これなあに?」
そういって手に取る。

そうか。それが気になっていたのか。

裏返してみる。
「オルゴールだ・・・。鳴らしてみていい?」
「ああ」
ぜんまいを巻きテーブルの上に置く。

瀬戸物でできた男女。
女性はドレスを着ていて男性はタキシード。
その男女が踊りだす。
踊ると言っても、
ぜんまいが巻き戻るのに合わせて、ただ回るだけのこと。
ソファーに腰掛けじっとその動きを見ている。

「この曲って癒される。
 オルゴールの音色って癒されるよね」



俺はオルゴールを手に取り、岬に差し出す。
そして、

「岬、誕生日おめでとう」
と言ってみる。

もちろん岬の誕生日がいつかは知らない。

「ええ、何で知ってるの?」
「と、言ってもいつだか知らないや」
二人の声が被る。
「え、まじかよ。今日?」
「うん。今日」

「驚いた。これやる口実で言ってみたのに」
「うん。僕も驚いたよ。
 もしかしてさっきのケーキも、
 誕生日って知ってたから出してくれたのかなぁ?
 なんて思ったりもして・・・」


「そうか。では、改めて、おめでとう。これプレゼント」
そう言って渡そうとするが、

「でも・・・。これ、 外国のでしょ?
 お父さん、お母さんからのもらい物じゃないの?」
遠慮する岬。

「いや、いいんだ。お前気に入ったんだろ?」

「うん。すごく気に入ったんだけど・・・。でも・・・」

「俺が持っていてもどうせこの部屋で埋もれてるだけだし、
 だったら気に入ったお前に持っててもらったほうが」

「ほんとにいいの?ん~、じゃあ」
ようやく受け取る。
「ありがと。大事にするね」

そして止まってたオルゴールのぜんまいを巻く岬。
メロディーが流れ出す。

「そうだ。ねえ、若林くんもきてよ」
「ん?」
「今晩ね、南葛高校のみんなが僕の誕生日パーティー開いてくれるの。
 石崎くんちで・・・。 
 でも、普通は自分の家に呼んででやるものだよね」

オルゴールがメロディを奏で続ける。

「若林くんが行ったらみんな喜ぶよ。ビッグサプライズだね」
そういって嬉しそうに微笑む。

窓から光が差し込む。
「あ、雨やんだみたいだね」

そういって窓を開ける岬。
「わあ、見て、若林くん。虹が出てるよ」

たく・・・。虹なんて珍しくもないだろ・・・。
そう思いつつも岬の隣で一緒に空を見上げる。

「きれいだね」
と言う岬の横顔を見る。

確かにひさびさにみる虹はきれいだ。
でも岬の方がきれいだ。

オルゴールが奏で続ける音色は幸せを運んでくる足音みたいに聞こえた。





あとがき
すいません。ごめんなさい。
源×岬サイト様の管理人様が多いので書いてみました。
が、書いた本人開き直りきれませんでした。

えっと、麗様のイラストに岬くんと若林くんの相合傘のありましたよね。
岬くんが傘持ってて、でも若林くんほとんど入ってなくって・・・。
そのイラスト見て浮かんだ話です。
そしてドライヤーで岬くんの髪を乾かす若林くん。
向かい合って紅茶を飲む2人。
こんなシーンが浮かんだので無理やり入れてみました。
こんな話ですいませんです。
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